「お母さん、身体がつらいから揉んで!」
そんなふうに連絡が来ると、私は思わずニヤリとしてしまう。
“よし来た!”とばかりに、すぐに準備に取りかかる。子供の肩を揉むのは、私にとって喜びの時間だ。
子供が「頼ってくれる」というのは、何歳になっても母親として嬉しいものだと、しみじみ感じる。
思えば、私も母に連絡を取るようにはしている。だが、仕事や家事、日々のあれこれに追われていると、つい後回しになってしまう。気づけば何ヶ月も経ってしまっている。
実家へ帰るのも、年に何回行けているだろう。
「今年は一度も行けなかったな…」と反省する年もあった。
電話越しの母の声には、何とも言えない温かさがある。
それを感じるたびに、「もっと連絡しなきゃ」と思うのだけど…。
子供達の成長を見るとき、ふと母の姿が重なることがある。
大人になった子供達は、私に対して遠慮がなくなり、時には批判的な言葉も投げてくるようになった。
でも、それすらも私はどこか嬉しい。
子供達が自分の考えを持ち、自分の言葉でぶつかってきてくれるというのは、成長の証なのだと思う。
子供は、何歳になってもやっぱり可愛い。
手がかからなくなった今でも、心はいつも子供達を想っている。
そして、ふとした時に子供からの連絡があると、その日一日がパッと明るくなる。
そんな私の心を、きっと母も同じように抱いてくれているのだろう。
今度の休みには、母にも連絡を入れてみよう。
「お母さん、最近どう?」
その一言だけでも、きっと喜んでくれるはずだから。
子供をマッサージしているとき、私はただ「疲れを取ってあげたい」と思う。
でも同時に、それは私自身の心も温かく満たされる時間なのだ!
手を通じて伝わる温もり、肩の緊張が少しずつゆるんでいく感覚、
「ありがとう」と言われたときの、あの何とも言えない幸福感!。
身体を癒すことは、心を癒すこと。
そしてそれは、きっと家族の関係にも、静かな優しさを運んでくれる。
サロンでお客様の身体に触れるときも、私は子供に触れるときと同じ気持ちでいる。
「少しでもラクになってほしい」「今日という日が穏やかに終わりますように」
そんな思いを込めて、そっと手を添えている。
“癒す”というのは、ただ身体のコリをほぐすことではなく、
その人の頑張ってきた日々を、そっと受け止めること。
誰かに触れられ、心がふっとゆるむ時間!
それが、現代の私たちにとって何より大切なことだと思っている。
子供達に、母に、そしてご来店くださるお客様に。
これからも私は、癒しのバトンを手渡していきたいと思う!
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